こんにちは。
いぬきデンタルクリニック院長の井貫です。
今日はインプラント治療の腫れや痛みについてお話ししようと思います。
目次
インプラント治療は腫れる?
実際に患者さんとのお話しでインプラントのお話をするとよく聞くのが
- 「インプラントって怖い。」
- 「治療後すごく腫れるのでは?」
- 「インプラント治療は痛そう。」
以上のようなインプラント治療に対してのネガティブなイメージや言葉をよくお聞きします。
では、本当のところはインプラント治療は痛みや腫れはあるのでしょうか?
インプラント治療後の腫れ
基本的にどんな外科的な治療(抜歯や歯茎を切るなど)でもやはり腫れるリスクはあります。
腫れが起こる原因は、傷などが加わった部分に対してのご自身の免疫反応によるものです。
傷がついた部分には『炎症反応』という免疫反応が必ず起こります。この炎症反応により腫れ、痛み、発赤などの症状が出るのです。
つまり、少しでも傷がついた部位には多少なりとも腫れは起こってしまうものなのです。
インプラント治療はブリッジや入れ歯と比較すると、隣の歯を傷つけることなくしっかりとした噛み合わせを作ることができる治療です。
しかし、インプラント体(人工歯根)を埋入する治療はお体を傷つける行為であることは間違いありません。
このためインプラント治療後には多少なりとも腫れる可能性があるのです。
腫れをできるだけ抑える治療
しかし、多くの方はインプラント治療後の腫れは経験したくないと思っているでしょう。
では、腫れを抑える方法は何かないのでしょうか?
残念ながら完全に腫れを抑える方法はありません。しかし、できるだけ腫れの原因を取り除くことで、通常より腫れを抑えた治療は可能です。
腫れの原因とはすなわち『傷』。
つまりインプラント治療を、できるだけお体に傷をつけないように行うことで腫れを抑えることが可能になるのです。
具体的には以下のような処置を心がけることで、できるだけ低侵襲(なるべくダメージの少ない)な治療を行うことが可能です。
①なるべく『骨を足す処置』を行わない。
歯周病などに罹患して歯を抜歯した場合、大きく歯を支える骨が溶けてしまうことがあります。
このような場合、インプラント体を埋入できる量の骨がないことが多く、インプラントを埋入する際もしくは事前に人工の骨を足し、失われてしまった骨を再生させる必要性があります。
『骨を足す処置』は通常のインプラント治療と比較すると、圧倒的にお体にダメージが大きいため腫れるリスクが高くなります。
『骨を足す処置』を行わないようにするためには、本当に歯が悪くなり、周りの骨が大きく吸収する前に抜歯を行う必要性があります。
もしくは抜歯を行う際に、抜歯窩温存療法(抜歯により空いた穴に人工の骨を入れる療法)などを行い、できる限り骨が吸収しないようにする処置を行うことで、『骨を足す処置』を回避することができる可能性があります。
②歯茎の切開をできる限り最小限にする。
インプラントを埋入する部位は歯茎の下にある『骨』です。このため、通常の方法ではインプラントを埋入するにあたり歯茎を切開し、『骨』が見える状態にすることでインプラントを安全に埋入することが可能となります。
ただインプラントを埋入するにあたり、サージカルガイド(インプラント手術の指標)を使用することで、歯茎の切開を最小限に抑えながら安全に適切な位置にインプラントを埋入することが可能です。
当院ではできる限り安全で低侵襲な治療を行うため、サージカルガイドを必要に応じて作製しております。
③治療時間をできる限り短くする。
治療時間が延長するとその分お体の負担は大きくなります。すなわち、腫れが出る可能性が高くなるのです。
治療時間を短縮するためには、ⅰ)事前にしっかりとインプラント埋入部位をシミュレーションする、ⅱ)サージカルガイドを使用する、ⅲ)治療の技術、などが揃うことで治療時間の短縮につながります。
当院ではインプラント埋入に先立ち、必ずシミュレーションを行い、状況に応じてサージカルガイドを使用して、患者様の術後の状態が少しでも良くなるように心がけております。
④可能な限り、治療部位を丁寧に扱う。
治療部位を乱暴に扱うと、『歯肉が挫滅してしまったり』、『骨が火傷を負ってしまう』などのトラブルが発生する可能性があります。
これらは③と相反する項目になってしまいますが、丁寧な治療を心がけると治療時間が長時間に及んでしまう可能性があります。
このため、③と④のバランスをみて、的確に丁寧に素早く治療を行うことが大切だと思われます。
以上の点に気をつけることで、インプラント治療をできるだけ低侵襲で行うことが可能となります。
当院ではインプラント治療に①必要に応じてサージカルガイドの使用、②できる限り侵襲の少ない治療の選択を行うことで患者様の負担の軽減を行なっております。
最後に
当院ではできる限り患者様に負担の少ない治療を心がけております。
しかし、前述した通りどれだけ丁寧に治療を行ったとしても、腫れは完全に抑えることはできません。
ただ腫れのピークは2〜3日、腫れが落ち着くのは1週間程度と言われています。
- 「どうしても大事な会議がある。」
- 「明日は友達とランチ」
- 「マスクを外す必要性が明日ある。」
などの方はできるだけ、大事な予定日の1週間前程度にはインプラント治療を行わないのも一つです。
当院では患者様のご都合や予定に合わせ治療を行なっております。
なるべく、インプラントを行いたいが腫れなどを抑えたい、予定に合わせて治療を行なって欲しいなどのご要望があれば、お気軽にご連絡ください。
監修者情報
歯科医師(院長) 井貫 幸一
- 2013年 東北大学歯学部卒業 歯科医師免許取得
- 2022年 いぬきデンタルクリニック 開業
患者さまの生涯にわたりお口の健康を維持し、笑顔あふれる生活をサポートできればと考えております。
お口のことでお悩みの方もそうでない方も是非一度お気軽にご相談ください。