こんにちは。
いぬきデンタルクリニック院長の井貫です。
今回は当院での被せ物や詰め物も治療ついてのお話です。
Contents
詰め物の被せ物の種類
基本的、詰め物や被せ物の種類には大きく分けると
①金属
②コンポジットレジンやハイブリットレジン
③セラミックやジルコニア
に分けられます。
ただ、このような材料だけの話をしても何がよい治療方法なのか想像しにくいと思われますので、今回は具体的に説明していきます。
①金属
一概に金属と言っても詰め物や被せ物に使用される金属は様々なものがあります。
大きく分けると、
・金銀パラジウム合金
・金合金
などがあります。
金銀パラジウム合金
金銀パラジウム合金は保険適応で使用される治療方法です。この治療方法は日本では最もよく行われている詰め物や被せ物の材料だと思われます。
利点としは、「強度が高い」点が挙げられます。
しかし、金銀パラジウム合金には以下のようなデメリットがあります。
「劣化する」、「歯質とくっつかない」、「汚れが付着しやすい」
つまり、再度虫歯になりやすい材料といえます。様々な報告がありますが、10年後には40~50%は2次カリエス(詰め物や被せ物の下での虫歯)になると言われています。
また歯とは科学的に接着しない材料のため、より大きく歯を削り、歯と勘合するための形をつくる必要性があります。
このようなデメリットがあるため、決して最良の治療法とは言えないのです。
金合金
金合金は保険適応外の治療法になります。
以前は保険外の詰め物や被せ物ではよく使われた治療法です。
欠点としては、「審美性が低い」、「コストが高い」などが挙げられます。
しかし、金合金には多くの利点があります。
利点としては、「強度が高い」、「適合性が非常に高い」、「劣化が少ない」などの点があります。
このため、金銀パラジウム合金と比較すると2次カリエスになりにくいと言われています。
②コンポジットレジンやハイブリットレジン
詰め物や被せ物の種類にはコンポジットレジンやハイブリットレジンなどがあります。
これらの材料は簡単に説明するとプラスチックのような材料になります。
利点としては「白い」、「その日に詰めることができる」、「歯と接着する」などがあげれます。
ただ欠点もある材料です。
「強度が弱い」、「吸水する」、「変色しやすい」などのデメリットがあります。
このため、症例を選ぶことで白く、即日詰めることができる材料と言えます。
③セラミックやジルコニア
セラミックやジルコニアと言ってもこれらにも様々な種類があります。大別すると以下のような物があります。
・長石系セラミックス
・2ケイ酸リチウム
・ジルコニア
長石系セラミックス
長石系セラミックスの特徴としては以下のようなものがあります。
利点:「透明感があり、自然な歯と近い色合い」、「歯と科学的に接着する」、「変色や材料の劣化が少ない」
欠点:「強度が低い」
このような特徴があるため。奥歯の治療などにはあまり向かない材料と言えます。
しかし、透明感が高く自然な歯と近い色合いのため前歯の治療に適する材料と言えます。
2ケイ酸リチウム
2ケイ酸リチウムは特徴としては以下のようなものがあります。
利点:「自然な歯と近い色合い」、「歯と科学的に接着する」、「長石系セラミックスと比較すると強度がある」、「変色や材料の劣化が少ない」
欠点:「金属と比較すると強度が低い」
このような特徴があります。非常に美しい被せ物ができ、かつ強度も確保されるため、被せ物や詰め物に適した材料と言えます。
ジルコニア
利点:「自然な歯と近い色合い」、「強度が非常に高い」、「変色や材料の劣化が少ない」
欠点:「2ケイ酸リチウムと比較すると歯との接着力が弱い」、「2ケイ酸リチウムと比較すると透明感がない」
このような特徴があります。非常に強度が高く、ある程度自然な色合いの被せ物を作成することが可能です。
ここまではどこのサイトにも記載されている内容です。
では、実際のところどの材料が詰め物や被せ物に適しているのでしょうか?
詰め物や被せ物にもっとも適した材料とは?
実はこれには明確な答えはありません。
理由としては材料それぞれに利点欠点があるためです。
この利点と欠点を理解して、歯の状態に応じて最良の材料を選択することも歯科医師の腕の一つだと思います。
例えば、インレーやオーバーレイという詰め物などで白い物にしたいというご希望があれば、セラミックの中の2ケイ酸リチウムを選択しています。ジルコニアもとても良い治療方法なのですが、透明感がないためインレーなどのような詰め物の場合、詰め物との境目が非常に目立ちます。
またオーバーレイと言われる治療はほとんど歯と詰め物がセメントによる接着力によりくっつくため、歯と接着力の高いケイ酸リチウムが適していると考えています。
また変色している歯を綺麗に被せ物で治したいなどのご要望があれば、それはジルコニアにセラミックスを築盛した被せ物が最も適していると言えます。これはジルコニアの透明感が少ない点が非常に役に立ちます。透明感が少ないため、色が変色している部分まで光を通さなくなるため、より綺麗な被せ物を作成することが可能になります。
つまり、状況により最適な詰め物や被せ物の材料は変わるのです。
このため当院では詰め物や被せ物に対する治療に関しては、最適な物を歯科医師により選択しております。
患者様は詰め物や被せ物の材料の選択に困る
このように状況により詰め物や被せ物の最適な材料は変わるため、歯科医師の考え方によっても治療の選択肢は変化します。
歯科医師でも材料の選択には困ることがあるのです。
このため患者様がどの材料が最適か迷うのは当たり前なのです。
当院では費用などは考慮せず、自費の被せ物や詰め物は一律同一金額としており、患者様が材料選びで困らないようにしています。
できるだけ歯を長持ちするような材料の最適な選択を行なっております。
「前歯を綺麗に治したい」、「詰め物の境目が気になる」、「銀歯を白くしたい」、「長く使える詰め物や被せ物で治療したい」などのご要望がある場合は、是非当院までご連絡ください。
監修者情報
歯科医師(院長) 井貫 幸一
- 2013年 東北大学歯学部卒業 歯科医師免許取得
- 2022年 いぬきデンタルクリニック 開業
患者さまの生涯にわたりお口の健康を維持し、笑顔あふれる生活をサポートできればと考えております。
お口のことでお悩みの方もそうでない方も是非一度お気軽にご相談ください。
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