『インプラントができない場合はどんな治療があるの?』
『インプラントができないケースは結構多いって本当?』
『今通っている歯科医院でインプラントができないと断られてしまった…』
近年、欠損した歯の治療として選択されることが増えてきたインプラントですが、実は全ての方が適応となる治療ではございません。インプラントができないケースは患者様の想像以上に多いです。
とはいえインプラントができないケースの多くは『このままではインプラントはできない』というものなので、対応次第ではインプラントが出来るようになることもございます。
そこで多数のインプラント治療を手掛けてきた当院が、インプラントができないケースとケースごとの対処法、またインプラントがどうしてもできない場合の他の治療の選択肢などについてご説明いたします。
兵庫県明石市のいぬきデンタルクリニックでは、実際に難易度の高いインプラント治療を多数手掛けており、インプラントができない、と断られる原因の大部分を占める骨の問題や歯茎の問題にも対応することが可能です。現在通っている医院でインプラントはできないと断られてしまった方は、インプラント治療の医院選びにお困りの方は、治療を諦める前にぜひ一度当院のインプラント個別無料相談をご活用ください。
目次
インプラントは誰でもできる治療ではありません
インプラントは年々ポピュラーな治療になってきており、当院でもたくさんの患者様が欠損した歯の治療にインプラントを選択されています。インプラントは原則自費診療の治療のため費用はかかりますが、単独で植立出来る点などさまざまなメリットがあるため、当院でも他の治療よりインプラントを推奨する機会は多いです。
そんなインプラントですが、誰でも出来る治療ではありません。例えば以下に該当する患者様は、インプラントでの治療ができない場合があります。
- ①骨が薄い方
- ②多数の虫歯・歯周病がある方
- ③歯並びが悪い方
- ④全身疾患を抱えている方
- ⑤年齢がまだ若い方
- ⑥喫煙する方
こういった場合にはインプラントの治療は難しくなりますが、適切な対処により治療ができるようになる場合もございます。以下でさらに詳しく、それぞれなぜ治療ができないのか、どのような対処で治療ができるようになるのか、ご説明します。
できない症例①:骨が薄い
インプラントは顎の骨に人工歯根を埋め込み固定源とするため、顎の骨に人工歯根を埋め込めるだけの穴を開ける必要があります。顎の骨が痩せてしまっていたり薄くなっている場合、人工歯根を埋入するのに十分な骨の量が確保できず、インプラントができないという判断になることがあります。
特に前歯の顎の骨は奥歯と比べて薄いという特徴があり、少し骨が吸収しただけで前歯のインプラントは難しくなります。
>>前歯のインプラントが難しい理由やメリットデメリット、期間や費用まで解説
対応:骨造成などの治療を行う
骨が薄い場合には、骨造成と呼ばれる骨を増やしたり再生させる処置を行います。骨が痩せてしまった箇所や薄すぎる箇所に骨を足すことで、インプラントの埋入に十分な骨量を確保します。
また当院では骨が痩せたり減ってしまうのを防ぐために、抜歯窩温存療法と呼ばれる抜歯した箇所に骨をあらかじめ足しておくような処置をする場合もございます。
当院では骨が足りない患者様でも、骨造成を行うことで治療が可能になるケースが多いです。しかし骨造成は難易度が高く、対応できない歯科医院も多いため、骨が足りないことが原因でインプラントを断られてしまう患者様もたくさんおられます。
できない症例②:多数の虫歯・歯周病がある
お口の中に虫歯や歯周病がある場合、インプラントの埋入の段階で細菌感染を起こす可能性が高くなります。細菌感染したインプラントの人工歯根は、顎の骨とうまく定着できないため、インプラントができないという判断になる場合があります。
またインプラントの埋入がうまくいった場合でも、歯周病によく似たインプラント周囲炎を発症することがあります。インプラント周囲炎の原因は歯周病と同様にお口の中の衛生環境に根ざすもののため、虫歯や歯周病がある状態でのインプラントの埋入はおすすめできません。
対応:虫歯治療・歯周病治療を並行して行う
インプラント治療に先立ち、虫歯治療や歯周病治療を行い、口腔内の衛生環境を確保した後に、インプラント治療を行うことが望ましいでしょう。また歯周病は顎の骨を溶かしてしまうため、顎の骨の量が少なくなっている場合は、骨造成などの治療も必要になる場合があります。
できない症例③:歯並びが悪い
インプラント埋入箇所の歯並びが悪い場合は、インプラントの人工歯根や上部構造を適切なポジションに収めることができず、インプラントができない場合があります。
また物理的にはインプラントの埋入が可能でも歯並びの問題で噛み合わせがどうしても悪くなる場合、インプラント埋入後の予後が悪くなることが予測できます。こういった状態でインプラントを埋入すると、上部構造の破損や人工歯根の脱落にもつながるため、インプラントを埋入できません。
さらにインプラントのポジションが悪いと、清掃性が悪化し歯垢や歯石が付着する原因になります。その状態が長く続けば、インプラント周囲炎の原因になります。
歯並びが良い患者様でも、前歯にインプラントを埋入する際には、前歯の大きさが問題となる場合もあります。人工歯根を埋入するためには、人工歯根の左右に1.5mmずつのスペースが必要になります。一般的な人工歯根の大きさは4mmほどのため、計7mmのスペースが必要ですが、前歯は大きさが6mm程度しかない場合が多く、インプラントの埋入が非常に難しくなります。
対応:歯列矯正で歯列を改善してからインプラント治療を行う
歯並びが原因でインプラントの埋入を行えない場合は、歯列矯正を事前に行い綺麗な歯並びを作ってからインプラント埋入を行います。ただしインプラント治療そのものが自費治療で高額な上、歯列矯正まで行うとなると費用がかなりかさむため、よく検討する必要があります。
できない症例④:全身疾患を抱えている
糖尿病や腎疾患をはじめとした全身疾患を抱えている方は、インプラント治療が難しくなります。
糖尿病を患っていて血糖値のコントロールが難しい場合、免疫力が低下している可能性があり、インプラント埋入手術などの治癒に時間がかかったり、インプラント周囲炎を発症する可能性が高くなります。
腎疾患がある場合もやはり免疫力が低い傾向にあり、人工透析を受けている場合は手術によって細菌が臓器に回ってしまう可能性があります。さらに腎疾患がある方は骨も脆い傾向にあるため、インプラント治療は難しくなります。
対応:かかりつけ医と連携して治療にあたる
全身疾患がある場合、歯科医単独でインプラント治療の可否を決めることには非常に大きなリスクが伴います。そのためかかりつけ医と連携した治療が必要になります。
かかりつけ医の指導のもと、インプラント治療が可能であると判断された場合であれば、インプラントを行えます。
できない症例⑤:患者様の年齢が若い
患者様の年齢が若すぎる場合、インプラント治療は行わない方が良いと判断することがあります。特に患者様が未成年の場合、顎の成長がまだ止まっていない可能性があります。
インプラントは人工物のため、顎の成長や歯列の変化とともに動くことはなく、その場に取り残されてしまいます。一度埋入したインプラントの位置を動かすことはできないので、まだ顎が成長したり歯列が動く可能性のある未成年の患者様にインプラントを埋入するのは将来的なリスクが高いと考えられます。
対応:顎の骨が十分成長するまで別の手段で治療する
まだお若い患者様、特に未成年の患者様の場合は、顎の骨が十分に成長するまで別の手段で治療を行うのが望ましいです。
例えば一旦入れ歯で治療を行った場合、顎の成長が終わった後に欠損箇所のみインプラントで治療するなどの対応が考えられます。
できない症例⑥:喫煙する方
喫煙をされる患者様については、インプラント治療が難しい可能性が高いです。インプラントは人工歯根を顎の骨に結合させることで固定してしっかりと噛めるようになりますが、顎の骨と人工歯根が結合するためにはしっかりと患部が治癒する必要があります。
患部の治癒のためには血流が豊富である必要があるのですが、喫煙すると一酸化炭素により血行が悪くなり患部に届く血液が減ってしまいます。またニコチンには血管の収縮作用があるため、同様に患部に届く血液が減る原因になります。これにより患部が十分に治癒しないと、人工歯根と顎の骨が結合せずに、インプラント治療の失敗となってしまいます。
さらに喫煙者の傾向として歯周病になりやすいという点が挙げられるため、インプラント治療後の歯周炎のリスクも高まります。特にヘビースモーカーの方は、インプラントができないと判断される場合が多いです。
対応:治療中は完全禁煙、治療後も喫煙は控える
インプラント治療を行いたい方は、最低でもインプラントの治療中には完全禁煙する必要がございます。またインプラント治療が完了し、患部の傷が完全に塞がった後も、できれば禁煙を続ける、できる限り減煙するなどの対応が必要です。
インプラントができない人への対処
ここまでさまざまなインプラントができない原因を説明しましたが、特に骨の問題が原因でインプラントができない方は多いです。そこで以下では、骨の問題が原因でインプラントができないという方に向けた対応として、以下を解説します。
- ・骨が足りなくてもインプラントをするための対処
- ・インプラント以外の治療の選択肢
以下でそれぞれ詳しくご説明します。
骨が足りなくてもインプラントをするための対処(骨造成)
上述の通り、インプラント治療の大きな妨げとなるのが、骨が痩せていたり足りな口なってしまっていることです。骨が足りなくなる理由としては、抜歯後に骨が萎縮した(廃用性萎縮)や骨粗鬆症、歯周病、生まれつき骨が薄いなど、さまざまなものが挙げられます。
骨が薄くインプラントの埋入に足りていない場合には、骨造成という骨を増やすための治療を行います。ここでは骨造成の主な手技を2つご紹介します。
ソケットリフト
骨にある程度の厚みがあるもののインプラントの埋入には不足している、1歯分の骨だけ増やしたい、という場合に行う方法です。ソケットリフトでは元々歯が生えていた箇所から骨を注入して骨の厚みを増やしていきます。
ソケットリフトでは骨を増やしながらインプラントも同時に埋入するため、全体の治療期間が短くなりやすく、順調に進めば3ヶ月〜4ヶ月程度で治療が完了します。
ただし骨の減少が著しい場合や広範囲に骨を足したい場合は、ソケットリフトでは対応が難しくなります。
サイナスリフト
ソケットリフトで対応が難しいような、広範囲に骨を作る必要がある場合は、サイナスリフトという治療を行います。サイナスリフトは上顎洞に骨補充材を入れて骨を生成する治療法で、ソケットリフトと比べて難易度が高く対応できる医院の数が少ない治療法です。
骨が大幅に減少している場合や、複数本のインプラントを埋入したい場合に、際ナスリフトはとても優れた治療ですが、多くの骨を作るためサイナスリフトの治療期間だけで半年程度かかるのが一般的です。
インプラント以外の選択肢
何らかの理由でインプラント治療がどうしてもできない場合は、インプラント以外の方法での治療を検討する必要があります。
歯の欠損に対する治療としては、以下の3つの治療の名前が挙がることが多いです。
- ①差し歯
- ②ブリッジ
- ③部分入れ歯
以下でそれぞれ簡単に解説します。
①差し歯
インプラントと混同されることが多い差し歯ですが、実はインプラントとは根本的に適応症例が異なります。
差し歯は歯根が残っている状態の時に、その上に被せ物をすることで、歯の目に見える部分を補うことで噛む機能を回復させる治療です。対してインプラントは、歯根が残せない時に行う治療で、人工歯根を代わりに埋入して咬合機能を回復させます。
そのため差し歯はインプラントの代替にならないのですが、稀に抜歯を宣告されてインプラントを検討している方でも、実は抜歯せずに歯を残せるようなケースもございます。インプラントをはじめとした歯根を失った箇所を補う治療に移る前に、本当に抜歯しなければならないのか、実は歯根を残したまま差し歯で治療ができるのではないか、というところをセカンドオピニオンなどで確認することをおすすめします。
②ブリッジ
ブリッジは欠損した歯の両隣の歯を支えにして、橋をかけるように欠損した歯を補うような治療法です。例えば1本の歯を欠損した場合、支えにする両隣の歯(支台歯)を削って、3本の連結した被せ物を装着します。欠損した箇所の被せ物が受ける噛み合わせの負荷は、両隣の支台歯に分散されます。
ブリッジは両隣の支台歯に噛み合わせの負荷がかかる性質上、多くの歯を欠損した際には適用できない治療で、一般的に1本〜2本の欠損が適応範囲とされています。
ブリッジで治療を行うためには、欠損した箇所の両隣に健康な歯が残っていることが条件になります。
③部分入れ歯
部分入れ歯は、金属製のクラスプと呼ばれる金具を、残っている歯にかけて入れ歯を固定して欠損した歯を補う治療法です。部分入れ歯は自費診療でしっかりと噛める入れ歯を作成することも、保険診療で治療費用を抑えて作成することも可能です。ただしクラスプを引っ掛ける歯に負荷がかかってしまう点や、清掃性が低くなりやすく汚れが溜まって口腔内の衛生環境が悪くなりやすい点にも注意が必要です。
歯科医の技術次第でインプラントの可否が変わることもあります
インプラントの治療可否については、歯科医師の技術次第で変わる可能性が多分に含まれています。一例として、骨の問題でインプラント治療ができない患者様は多いですが、骨を作る技術は歯科医師によって大幅に変わります。現在通っている歯科医院では骨を作れなくても、他の医院なら骨を作れるということは、ごくごく普通にあるため、現在の医院でインプラントはできませんと言われても諦めずに技術の高い歯科医院を探すことで、治療が可能になります。
歯科医院にどれくらい技術力があるか、一般の方ではわからないことも多いと思いますが、症例のブログを確認してみたり、直接問い合わせを行う、カウンセリングに伺ってみるなどすることで、患者様のケースに対応できるかどうかある程度わかるはずです。
当院のように難易度の高いインプラント治療と付帯手術にも幅広く対応できる医院もございますので、ぜひ色々な歯科医院に相談してみてください。
まとめ:インプラントができないと言われても諦めないでください
インプラントができないと言われるケースはさまざまありますが、そのほとんどの場合で適切な対処を行えば治療ができるようになります。
特に骨の問題でインプラントができないと言われてしまうことは多いかと思いますが、骨の問題は医院の技術次第で解決できることも多く、それだけで諦めてしまうのは非常に勿体無いと思います。
私もそうですが、インプラントを希望しているのに治療が難しいと断られてしまうような患者様を一人でも減らすために、難しい技術を習得している歯科医師はたくさんいます。ぜひ諦めずに、色々な医院に問い合わせたり、カウンセリングに足を運んで実際に歯科医師にお口の状態をみて判断してもらいましょう。
兵庫県明石市のいぬきデンタルクリニックでは、実際に難易度の高いインプラント治療を多数手掛けており、インプラントができない、と断られる原因の大部分を占める骨の問題や歯茎の問題にも対応することが可能です。現在通っている医院でインプラントはできないと断られてしまった方は、インプラント治療の医院選びにお困りの方は、治療を諦める前にぜひ一度当院のインプラント個別無料相談をご活用ください。
監修者情報
歯科医師(院長) 井貫 幸一
- 2013年 東北大学歯学部卒業 歯科医師免許取得
- 2022年 いぬきデンタルクリニック 開業
患者さまの生涯にわたりお口の健康を維持し、笑顔あふれる生活をサポートできればと考えております。
お口のことでお悩みの方もそうでない方も是非一度お気軽にご相談ください。