部分矯正とは?メリットやデメリット、適応症例について

歯並びに問題を抱えていて、矯正治療を検討されている方は当院にも多く来院いただいています。そんな患者様方からよくいただくお声に、部分矯正は普通の矯正とはどう違うのか、というものがあります。部分矯正は基本的には歯の全体を動かす全顎矯正よりも費用が安くなる傾向にあり、それなら部分矯正にしたい、という方も多いかと思います。

 

「部分矯正は安いと聞いたから部分矯正で治療してもらいたい!」

「部分矯正は全顎矯正と比べるとデメリットがあるの?」

「歯並びの乱れが重度な場合は部分矯正は使えない?」

 

特にこういった疑問やご希望のお声をいただくことはよくあります。そこで当記事では、部分矯正にまつわる疑問やお悩みを解決するために、以下の内容について解説させていただきます。

 

そこで、当記事では以下の内容を解説いたします。

 

  • ・部分矯正とはなに?
  • ・部分矯正のメリットとデメリット
  • ・部分矯正の適応症例

 

当ページをご覧いただけば、部分矯正とは何か、といった基本的な知識が理解できます。また部分矯正のメリットやデメリット、どういった症例に対応できるのかわかるため、ご自身の矯正治療の検討材料にもなるはずです。ぜひ最後までご覧ください。

 

当院、兵庫県明石市のいぬきデンタルクリニックは、部分矯正に伴う抜歯や、矯正治療前の虫歯治療など、全て院内で完結してワンストップで矯正治療を行える数少ない医院です。

 

矯正治療シミュレーションができる無料カウンセリングも実施しているので、矯正治療・部分矯正を検討中の方はぜひお気軽にお問い合わせください。>>いぬきデンタルクリニック(西明石)の矯正治療について

 

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部分矯正とは?歯列の一部だけを動かす矯正治療

部分矯正とは?メリットやデメリット、適応症例について

部分矯正は矯正治療の際に、歯列全体の矯正や全体的なかみ合わせの調整は行わず、歯列に問題がある一部分だけを矯正する治療法です。

 

部分矯正は主に以下の方法で行います。

 

  • ・ワイヤー矯正
  • ・マウスピース矯正
  • ・インプラント矯正
  • ・セラミック矯正

 

部分矯正は治療期間が短かったり、使用する矯正器具の費用が全顎矯正のものよりも安かったりと、さまざまなメリットがある治療のため、部分矯正を選択される方も多くなっています。

 

ですがメリットだけでなく部分矯正にはデメリットもあるため、部分矯正を選択する際には注意が必要です。また症例によっては部分矯正での対応がそもそも難しい、という場合もあります。

 

部分矯正のメリットについて

部分矯正のメリットについて

部分矯正は患者様にとってさまざまなメリットがある矯正治療のため、近年人気が高まっています。部分矯正の治療装置も日々進化しており、より多くの患者様に部分矯正を選択していただけるようになってきました。

 

そんな部分矯正の主なメリットは、以下の通りです。

 

  • 費用が安い
  • 期間が短い
  • 痛みが少ない
  • 気軽に始めやすい

 

以下でもう少し詳しく解説いたします。

 

部分矯正のメリット①:費用が安い

部分矯正のメリット①:費用が安い

部分矯正の大きなメリットとして、費用が安いことが挙げられます。全顎の矯正と比べて、使用する矯正器具が少なかったり、治療期間が短かったりすることで、費用が安くなります。

 

もちろん患者様の症例による治療の範囲などによって、費用は変動するので、一概にどのくらい安くなるとは言えませんが、ほとんど全ての症例において全顎矯正を行うよりも安くなることは確かです。

 

部分矯正のメリット②:期間が短い

部分矯正は短期間で矯正治療が終わるので非常に人気が高くなっています。

 

具体的には、全顎矯正は平均して2年〜3年の治療期間が必要になります。対して部分矯正は、半年〜1年半ほどで治療が完了する傾向にあります。

 

矯正治療の効果を感じるまでが早く、装置をつける期間も短いため、矯正していることをなるべく周りに知られたくないという方にもおすすめです。

 

また通院回数も抑えられるため、忙しくて定期的な通院が難しい方にもメリットが大きいかと思います。

 

部分矯正のメリット③:痛みが少ない

部分矯正は歯の一部だけを動かすため、歯の全体を動かす全顎矯正と比べて痛みが少ないです。歯を動かす距離も短いため、痛みの度合いも小さくなります。

 

また矯正治療の期間も短いため、全顎矯正と比べて痛みを感じる期間が短くなります。

 

痛みが怖くて矯正治療に踏み切れなかった、という方には部分矯正はぴったりの治療法です。

 

部分矯正のメリット④:気軽に始めやすい

上記の3つのメリットがあるおかげで、部分矯正は心理的に気軽に始めやすい矯正です。

 

矯正治療はどうしても大掛かりな治療のイメージが強いため、なかなか一歩踏み出せない、という患者様も多いです。そんな中で、安い、早い、痛みが少ない部分矯正は、患者様にとって「それなら矯正治療を受けてみようかな」と思いやすい治療法です。

 

部分矯正のデメリットについて

部分矯正のデメリットについて

部分矯正のメリットについて解説しましたが、当然メリットがあればデメリットもあります。治療を選択する際に、重要になるのはメリットよりもむしろデメリットです。部分矯正を選択して後悔しないためにも、事前にしっかりとデメリットを理解しておくことが大切です。

 

部分矯正の主なデメリットは、以下の通りです。

 

  • ・かみ合わせは調整できない
  • ・後戻りしやすい
  • ・歯を動かせる距離や動かせる方向が少ない

 

以下でもう少し詳しく解説いたします。

部分矯正のデメリット①:かみ合わせは調整できない

部分矯正のデメリットとして、かみ合わせの調整ができないことが挙げられます。部分矯正は見た目を重視して一部分だけを動かす、といった治療法です。そのため問題のある箇所だけを動かします。

 

かみ合わせは歯列全体に関わる問題なので、部分矯正で歯の噛み合わせの調整はできません。もちろん治療を受ける歯科側で、ある程度は噛み合わせにも留意して治療するとは思いますが、一部だけを動かす部分矯正でかみ合わせも調整することは現実的に難しいのです。

 

かみ合わせが悪いと、食事に問題が出たり、頭痛や肩こりの原因になってしまうことがあります。また特定の歯にだけ負荷がかかるようになり、歯を痛める原因になることもあります。

 

部分矯正のデメリット②:後戻りしやすい

部分矯正は歯の一部だけを動かして美しい見た目を実現するため、治療完了後には全ての問題が解決したように見えます。しかし実は、歯並びが悪くなった根本原因が解決できていなければ、せっかく矯正した歯並びが元に戻ってしまうことがあります。(後戻り)

 

歯並びが悪い根本の原因を解決することをせず、問題となっている箇所だけを綺麗に矯正しても、原因を放置してしまうと後戻りするリスクがついて回ります。

 

部分矯正のデメリット③:歯を動かせる距離や方向に制限がある

部分矯正では歯列全体を動かすわけではないため、歯を動かせる距離に制限があります。小さな距離しか動かせない部分矯正では、歯並びが大きくズレてしまっているような症例には対応できません。

 

また、歯を動かせる方向にも制限があります。部分矯正は治療する歯と対になる歯を動かさないため、歯を動かす方向を制限しなければ、かみ合わせが大きく狂ってしまう可能性があるのです。

 

そのため部分矯正は、歯を動かす距離が短く歯の向きなどはあまり変えなくて良い、という症例にのみ適応します。

 

部分矯正で対応できる症例について

部分矯正で対応できる症例について

部分矯正のデメリットでお伝えした通り、部分矯正は噛み合わせの調整はできませんし、歯を動かせる距離や方向に制限があるため、対応できる症例が限られます。

 

特に、歯並びが大きくガタガタとしている場合や、歯列だけでなく骨格にも問題があるような場合は、部分矯正での対応は難しいと考えると良いでしょう。

 

部分矯正で対応できる可能性が高い症例は、以下の通りです。

 

  • ・軽度の叢生(乱杭歯)
  • ・軽度の出っ歯
  • ・すきっ歯
  • ・前歯1本だけなど軽微な矯正

 

部分矯正が適した歯並び①:軽度の叢生(乱杭歯)

叢生(乱杭歯)は、歯がさまざまな方向に向かって生えているような状態で、一般的にガチャ歯などと言われることが多いような形態です。

 

歯列が綺麗に歯のアーチに収まりきらず、隣の歯の前後に重なってしまったり、歯がねじれた状態で生えておかしな方向を向いていたりします。チャームポイントと言われることもある八重歯も、叢生の一種です。

 

重度の叢生は全顎矯正が必要になりますが、八重歯などの軽度の叢生であれば、部分矯正で治療できる場合があります。

 

部分矯正が適した歯並び②:軽度の出っ歯

部分矯正が適した歯並び②:軽度の出っ歯

出っ歯も軽度であれば部分矯正で治療できる場合があります。

 

具体的には、前歯と隣の歯の間に少し段差がある程度の出っ歯や、歯が少し上向きに生えているせいで出っ歯になっている、という場合には部分矯正の適応症例となる可能性が高いです。

 

ただし顎の骨格そのものが前に出っぱっているような場合や、隣の歯との間の段差が非常に大きい場合などは、部分矯正で治療を行っても満足のいく結果にならないことが多いです。

 

出っ歯の治療は精密検査で骨格のレントゲンなどを取ることで、より精度の高い診断ができるので、一度歯科医院のカウンセリングなどを受けてみるのが良いでしょう。

 

出っ歯の治療に関しては、こちらのページでより詳しく解説しております。>>出っ歯(口ゴボ)の矯正治療|外科手術なしで治療できるのか

 

当院、兵庫県明石市のいぬきデンタルクリニックは、出っ歯の矯正に伴う抜歯や、矯正治療前の虫歯治療など、全て院内で完結してワンストップで矯正治療を行える数少ない医院です。

 

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部分矯正が適した歯並び③:すきっ歯

軽度のすきっ歯の場合は、部分矯正が適応することがあります。

 

具体的には前歯の隙間だけを埋めたい、隙間があまり大きくなく部分矯正で動かせる範囲で十分に隙間が閉じられる、という場合には部分矯正での治療が可能です。

 

すきっ歯の矯正で注意しなければいけないのが、隙間を詰めた分だけ別の場所に隙間ができてしまう、ということです。部分矯正は歯列全体を動かすことができず、かみ合わせが調整できないため、すきっ歯矯正でできた隙間を埋めることはできません。

 

歯列の目に見えない部分に隙間ができるのであれば問題ない、と考える方も多いでしょうが、隙間ができてかみ合わせに問題が生じると、あとあとで歯列全体に悪影響を及ぼすこともあります。

 

すきっ歯を矯正する際には医師の診断結果をよく聞いて、もし医師が全顎矯正を進めるのであれば、極力医師の方針に従った方が安全です。

 

部分矯正が適した歯並び④:前歯1本だけなど軽微な矯正

前歯1本だけが歯並びから飛び出してしまっていたり、ズレた生え方をしてしまっている場合は、部分矯正の適応症例となります。

 

また、以前に矯正治療を行ったが、一部の歯だけが後戻りしてしまった場合など、歯列の微調整のような症例は、部分矯正に非常に適しています。

 

まとめ:部分矯正はメリットも多いが適応症例が限られる

まとめ:部分矯正はメリットも多いが適応症例が限られる

当記事では部分矯正のメリット・デメリットや適応する症例について解説しました。

 

部分矯正は費用が安かったり治療期間が短かったりと、メリットが多い治療です。ただしデメリットも多く、適応症例も少ないため、誰もが選択できる治療ではありません。

 

基本的には医師の診査診断に従って、全顎矯正か部分矯正かを選択するかと思いますが、どうしても部分矯正を選びたいという方は、せめてデメリットだけでもしっかりと把握しておくようにしてください。

 

当院、兵庫県明石市のいぬきデンタルクリニックは、部分矯正に伴う抜歯や、矯正治療前の虫歯治療など、全て院内で完結してワンストップで矯正治療を行える数少ない医院です。

 

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監修者情報

歯科医師(院長) 井貫 幸一

歯科医師(院長) 井貫 幸一

歯科医師(院長) 井貫 幸一

  • 2013年 東北大学歯学部卒業 歯科医師免許取得
  • 2022年 いぬきデンタルクリニック 開業

患者さまの生涯にわたりお口の健康を維持し、笑顔あふれる生活をサポートできればと考えております。
お口のことでお悩みの方もそうでない方も是非一度お気軽にご相談ください。

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