こんにちは。
いぬきデンタルクリニック院長の井貫です。
今日はマウスピース矯正(インビザライン治療)は差し歯が入っていても治療可能なのかといった、疑問にお答えしていきます。
Contents
マウスピース矯正(インビザライン治療)とは?
そもそもマウスピース矯正とはとはその名の通り、マウスピース型の矯正装置(アライナー)をお口の中に装着することで行う矯正治療のことです。
このマウスピース型の矯正装置がほんの少しづつ形が変わっており(インビザラインであれば0.25㎜ずつ違う)、だんだんと歯が動く治療になっております。
従来のワイヤーを使用した矯正治療とは異なり歯が動くメカニズム、治療方法など様々な違いがあります。
昨今の歯科医療の発展は、主に被せ物や詰め物などの接着剤の進歩によるものが大きかったですが、このマウスピースを使用した矯正治療はインプラント治療が世界に広まったのと同じぐらいの歯科治療の革新的な進歩ではないかと私は思っております。
ちなみにマウスピース矯正には様々な会社の矯正装置があり、特徴なども色々とあります。
当院では行っているマウスピース矯正はインビザラインという会社が製造しているマウスピース型の矯正装置を使用しています。
インビザライン社は現在世界で1200万症例の治療が行われており(2022年5月時点)、世界で最も選択されているマウスピー ス矯正装置です。
詳しくは過去の記事を参照ください。
マウスピース矯正とは?についての記事。
https://www.inuki-dc.com/orthodontics/aligner-orthodontics/
マウスピース矯正は差し歯や被せ物があっても治療可能なのか?
では、今回の本題に戻りますが、患者様より、「治療した歯があってもマウスピース矯正は行えるのか?」といったご質問をいただくことがございます。
こちらの質問に関してですが、結論から述べると治療した歯があっても治療は可能です。
歯が動くバイオメカニクスは、歯に力が加わることで、歯の周りの骨の吸収や再生が行われることによります。
具体的には以下のようなメカニズムで歯は動きます。
①歯が動くのには歯根膜が関係している
そもそも歯というのは
歯が動くのには『歯根膜』という組織が深く関係しております。
『歯根膜』とは歯の根っこの周りにある非常に薄い靭帯の膜のことを言います。
歯根膜は薄さ0.2㎜の厚さで、歯根膜があることで歯にかかる力を吸収している役割を果たしています。
②歯根膜に力が加わることで歯が動く
歯に矯正のワイヤーなどで適度な力が加わると、歯根膜が引き延ばされる部分(赤色の部分)と歯根膜が圧迫される部分(青色の部分)が出てきます。
歯根膜が引き伸ばされた部分は、歯根膜が元の厚みに戻るために骨を作る作用が働き、反対に歯根膜が圧迫された部分は骨を溶かす作用が働きます。
③歯が動くの骨の再生と破壊の繰り返し
このように歯に矯正治療による力が加わると、骨の再生と骨の吸収が繰り返されます。
結果として、少しづつ歯が動くのです。
つまり、歯しっかりと『歯根膜』がある歯であれば動くのです。
それでは今回の本題の差し歯や被せ物の歯があっても矯正治療は可能なのかについてです。
基本的に差し歯とは一度神経の治療を行い、土台が作られている歯のことです。
差し歯の図:差し歯にはクラウンという歯の頭の部分、コアというクラウンを支える部分よりなる。
つまり、差し歯には根っこもありますし、歯を動かすのに重要な『歯根膜』もあります。
このため、差し歯や被せ物であっても矯正治療にて歯を動かすことは可能なのです。
しかし、差し歯は大きな虫歯になった後の歯なので、ほとんど歯が残っていないことが多いです。
このため、通常の歯より大きな力をかけれないなどの場合もあります。
沢山歯の治療をしているのに矯正治療は可能なのかとお悩みの方がいれば、ぜひ今回の記事を参考にしていただけると幸いです。
当院でもマウスピース矯正やワイヤーを使用した矯正治療を行っております。
当院のマウスピース矯正治療について詳しくはこちらをご覧ください。
https://www.inuki-dc.com/invisalign.html
監修者情報
歯科医師(院長) 井貫 幸一
- 2013年 東北大学歯学部卒業 歯科医師免許取得
- 2022年 いぬきデンタルクリニック 開業
患者さまの生涯にわたりお口の健康を維持し、笑顔あふれる生活をサポートできればと考えております。
お口のことでお悩みの方もそうでない方も是非一度お気軽にご相談ください。
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