日本でマウスピース矯正(インビザライン)の名前をよく聞くようになってきたのは、最近のことです。従来は、歯列矯正といえばワイヤー矯正でした。そのため、患者さまの中には「周りにインビザライン治療をしている人がいないから勇気が出ない…」と悩む方が少なくありません。患者さまよりよくお聞きする中でネックになっているのは、マウスピース矯正による治療の失敗です。
「マウスピース矯正で失敗して後悔したらどうしよう…」
「そもそもマウスピース矯正で失敗するとどうなる?」
「マウスピース矯正の失敗を回避する方法はある…?」
このような疑問やご不安を抱えている方が多くいらっしゃいます。
そこでこのページでは、兵庫県明石市で歯列矯正治療を手がけている当院いぬきデンタルクリニックが、歯列矯正、特にマウスピース矯正(インビザライン)で後悔するケースやよくある失敗例についてご説明し、皆様が失敗・後悔をしないための知識をつけていただければと思います。
いぬきデンタルクリニックでは、矯正治療を通じてお口元のコンプレックスを解消し、お口の機能的な問題も同時に解決することで患者様のお口の健康を長く保つお手伝いをしております。
Contents
マウスピース矯正(インビザライン治療)を後悔してる人はいる?
実際に患者様のお声をお聞きしていると、マウスピース矯正(インビザライン治療)後に、治療に対して満足されていないまたは後悔している患者様は一定数いらっしゃいます。インビザライン治療は基本的には自費診療となるため、高額な治療費、また治療期間がかかります。
そのため、治療後半になってトラブルが生じたり、患者様が思い描いていた治療のゴールと違っている場合などには、費用や時間が無駄だったのかなどと思われるのも仕方ありません。
基本的に矯正治療のゴールは歯科医師が考えているゴールと患者様が考えているゴールと異なる場合があります。このため、術前にしっかりと患者様の要望を理解しておく必要性があると当院では考えております。
またそれ以外にも矯正治療で起こり得るトラブルなどもあります。しかし、多くは治療前にある程度予測できるものであったり、注意すればトラブルを回避できるものがほとんどです。
マウスピース矯正(インビザライン)の失敗を避けるためには、治療でどのようなことが起こり得るのかをしっかりと理解するのが大切です。
以下で、マウスピース矯正(インビザライン)における失敗例やそれらの原因を解説するので、ぜひご覧ください。
マウスピース矯正(インビザライン治療)を後悔する6つの失敗例
ここからは、マウスピース矯正(インビザライン治療)における失敗例を原因と共に解説します。
マウスピース矯正(インビザライン治療)を後悔する代表的な例は、以下の6つです。
- ①理想の歯並びにならなかった
- ②噛み合わせが悪化した
- ③虫歯や歯周病になった
- ④歯肉退縮(歯茎が下がった)
- ⑤矯正後に後戻りが起きた
- ⑥治療期間が予想以上に長くなった
これら6つの失敗例について、以下でそれぞれ詳しく解説します。
①理想の歯並びにならなかった
マウスピース矯正(インビザライン治療)で後悔する理由としては、治療によって理想的な歯並びにならなかったケースが挙げられます。歯並びを綺麗にする目的が達成できなければ、後悔してしまうのは当然です。
例えばそもそもマウスピース矯正での治療が適していない歯並びを、無理にインビザラインで治療しようとすると、当然ですが理想通りの歯並びにならない可能性が高くなります。
また患者様と歯科医師の間で、理想の歯並びに食い違いがあると、失敗だったと感じてしまうこともあるでしょう。
このような失敗を避けるためには、歯科医師が適切に診査診断を行い、マウスピース矯正の適応となるか判断する必要があります。また高い技術を持つ歯科医師の元で治療を受けることも重要です。さらに、カウンセリングなどで理想の歯並びを歯科医師と正確に共有し、治療でどこまで理想を叶えられるのか納得できるまで歯科医師に聞いてみましょう。
②噛み合わせが悪化した
マウスピース矯正(インビザライン治療)で後悔する理由としては治療後に奥歯が噛みにくいとおっしゃられる方がいらっしゃいます。
これはマウスピース矯正の治療の特性として、奥歯の噛み合わせが弱くなりやすいというものがあります。
また前歯の歯並び以外にも奥歯の噛み合わせを考慮したシミュレーションの作成が行われていない場合にも、奥歯の噛み合わせがしっかりと当たらないといったことがあり得ます。
しかし、このような場合でもしっかりと奥歯の関係性を考慮したシミュレーションを行い、来院の都度患者様の奥歯の噛み合わせをチェックすることで防ぐことができます。
また弱くなった奥歯の噛み合わせも最終的にゴムがけなどを行なってもらうことでしっかりと噛み合わせることが可能です。
③虫歯や歯周病になった
マウスピース矯正(インビザライン治療)後に虫歯や歯周病になってしまい、治療を後悔される方も中にはいらっしゃるかと思います。
どうしてもマウスピース矯正ではお口の中に常にマウスピースが入った状態になるため、しっかりと歯磨きが行えていない場合には、虫歯や歯周病のリスクが通常の状態と比較して高くなります。
このため、マウスピース矯正(インビザライン治療)中はいつもよりもお口のケアを入念に行うことで、虫歯や歯周病のリスクを少しでも下げる必要性があります。
④歯肉退縮(歯茎が下がった)
マウスピース矯正(インビザライン治療)を行なった後に後悔する理由の中に、歯肉退縮を起こしてしまったというものが挙げられます。
歯肉退縮とは歯茎が下がることを言います。歯肉退縮が起こると歯が長く見えたり、歯がしみやすくなったりなどのデメリットがあります。
基本的に歯肉退縮が起こってしまう原因としは、薄い骨の方で歯が並ぶスペースがない方を非抜歯などで歯を並べると起こることが多いです。
この原因としてはスペースがない中、非抜歯で無理に歯を並べると顎の骨より歯が飛び出してしまい、結果として歯肉退縮を引き起こします。このため術前にしっかりと顎の骨の分厚さや足りていないスペースなどをしっかりと評価する必要性があります。
⑤矯正後に後戻りが起きた
後戻りとは、矯正治療後に歯が矯正治療前の状態に戻ってしまうことを言います。
基本的にはマウスピース矯正(インビザライン治療)、通常のワイヤー矯正どちらでも少なからずとも後戻りは発生します。
このため治療後には必ずリテーナーという歯を固定しておく装置を入れておく必要性があります。
リテーナーを装着する期間に関しては、歯科医師により様々な考えがあります。当院ではできるだけ長い期間装着していただくことが望ましいとお伝えしています。
⑥治療期間が予想以上に長くなった
マウスピース矯正(インビザライン治療)で後悔する理由の一つに、想定していた期間より治療期間が伸びることが挙げられます。
治療期間が伸びると、治療中の制約が続くため患者様としては非常に辛いものだと思います。治療期間が伸びる原因としては、以下のようなものがあります
- ・虫歯や歯周病になった
- ・歯が予定通りに動かなかった
- ・マウスピースをしっかりと装着していなかった
どうしても歯の動きというものは経験がある矯正医でも完全にはコントロールできないものです。
また思いのほか動かない歯なども、場合によってはあります。このような場合にはどうしても治療期間が伸びてしまいます。
またマウスピース矯正(インビザライン治療)では患者様の協力も必須であり、毎日決められた時間しっかりとマウスピースを装着する必要性があります。
マウスピース矯正(インビザライン治療)で失敗しないポイント5選
ここまで、マウスピース矯正(インビザライン治療)における代表的な失敗例について解説してきました。ここではマウスピース矯正(インビザライン治療)で失敗しないポイントをあげさせていただきます。
- ①インビザラインの施術経験が豊富な歯科を選ぶ
- ②治療中の決まりを守る
- ③口腔内を常に清潔に保つ
- ④歯科医師としっかりとコミュニケーションをとる
- ⑤保定装置の装着を途中でやめない
これら5つのポイントについて、以下でそれぞれ詳しく解説します。どれも基本的なことばかりですが、非常に重要です。
①インビザラインの施術経験が豊富な歯科を選ぶ
マウスピース矯正(インビザライン治療)で失敗しないためには、やはり治療経験の豊富な歯科医師に治療を行なってもらうことが一つです。
また、基本的にマウスピース矯正(インビザライン治療)は矯正治療の一環なので、ワイヤー矯正も行える歯科医師に治療を行なってもらうのが良いのではと思います。ワイヤー矯正も行える歯科医師の場合にはマウスピース矯正の治療のリカバリーなどもワイヤーで行うことができる場合がほとんです。
また、マウスピース矯正で動かしにくい歯の動きなどに関しては、部分的にワイヤー矯正なども使用するといった治療も可能です。
②治療中の決まりを守る
マウスピース矯正(インビザライン治療)は装置の着脱を患者様に行なっていただくことになります。
このため治療には患者様の協力が必ず必要です。
この中でも治療中には、以下のことを必ずやっていただく必要性があります。
- アライナーを1日20時間以上(理想は22時間以上)装着する
- アライナーチューイを使用する
- 治療計画に沿ってアライナーを取り替える
- 歯科医師に指示されたゴムがけをしっかりと行う
これらは全て歯を適切に移動させるにあたり必要なものなので必ず行なっていただく必要性があります。
③口腔内を常に清潔に保つ
マウスピース矯正中は虫歯や歯周病になりやすくなります。もし、大きな虫歯や歯周病が大きく進行してしまうと途中で矯正治療の計画を変更せざる得なくなる場合があります。
このため必ず、外出先などでも歯ブラシやデンタルフロスなどを持ち歩き、常にお口の中を清潔に保つことが必要です。
④歯科医師としっかりとコミュニケーションをとる
前述した通り、歯科医師が理想としている治療のゴールと患者様が理想としている治療のゴールが異なる場合があります。
患者様は矯正治療に対して大きな期待を抱いている場合が多く、術前から術後どのようにお口元が変化するかなかなか想像することはできません。
このため、担当の歯科医師としっかりとコミュニケーションをとった上でどのように術後のお口元が変化するのかということを理解した上で矯正治療を行うことをおすすめします。
ポイント⑤:保定装置の装着を途中でやめない
実際の臨床で患者様からよくお聞きするのが、「以前一度矯正していたのに再び歯並びが元のように戻ってきたので、再度矯正したい」といったお声です。
矯正治療後には少なからずとも、後戻りが起こってしまいます。しかし、この後戻りをできる限り抑えるには、できるだけ長い期間リテーナの使用することが必要です。
当院では最低でも治療を行なった期間と同等の期間の使用をお伝えしております。
まとめ:後悔しないインビザライン治療ならいぬきデンタルクリニック
当記事では、マウスピース矯正(インビザライン治療)における失敗例について解説しました。患者様の理想の治療のゴールと歯科医師との治療のゴールのすり合わせができていなかったり、後戻りが生じてしまったりといった、様々な例があります。
しかし、他の患者様がどのようなことで治療後、後悔されているかなどを知ることでご自身にも当てはまることがあれば、それをよく理解した上で治療を受けていただくことで、治療後の満足度にもつながると思います。
いぬきデンタルクリニックでは、矯正治療を通じてお口元のコンプレックスを解消し、お口の機能的な問題も同時に解決することで患者様のお口の健康を長く保つお手伝いをしております。
い。
監修者情報
歯科医師(院長) 井貫 幸一
- 2013年 東北大学歯学部卒業 歯科医師免許取得
- 2022年 いぬきデンタルクリニック 開業
患者さまの生涯にわたりお口の健康を維持し、笑顔あふれる生活をサポートできればと考えております。
お口のことでお悩みの方もそうでない方も是非一度お気軽にご相談ください。
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