上の前歯が下の前歯よりも前に飛び出していて、審美性を損なっているような状態を、出っ歯といいます。出っ歯は見た目に目立ちやすく、悪い印象を持たれやすい歯並びです。そのため、出っ歯でお悩みの方は多いのではないでしょうか?
実際に当院にも、出っ歯でお悩みになり、治療を希望される患者様はたくさんいらっしゃいます。
「出っ歯は歯列矯正の治療で治りますか?」
「出っ歯は前歯だけが問題だから部分矯正で治せないでしょうか?」
「外科手術をしないと出っ歯は治せないと聞いたけど本当ですか?」
当院に来院される患者様からは、このような疑問や不安の声をよく伺います。そこでこのページでは、上記のような疑問への回答として、出っ歯の治療について以下の内容を解説いたします。
- ・出っ歯は矯正治療で治せるのか?
- ・出っ歯の主な治療方法
- ・出っ歯の原因ごとの適した治療方法
当ページをご覧いただけば、出っ歯は矯正治療で治せるのか、矯正治療で治らない場合はどうすれば良いのか、ご自身の症状はどのような治療が適しているのか、といったことが理解できるはずです。
当院、兵庫県明石市のいぬきデンタルクリニックは、出っ歯の矯正に伴う抜歯や、矯正治療前の虫歯治療など、全て院内で完結してワンストップで矯正治療を行える数少ない医院です。
出っ歯の治療シミュレーションができる無料カウンセリングも実施しているので、出っ歯治療を検討中の方はぜひお気軽にお問い合わせください。>>いぬきデンタルクリニック(西明石)の矯正治療について
Contents
出っ歯は矯正治療で治せるのか?
結論からお伝えすると、出っ歯は矯正治療で治すことが可能です。しかし全ての出っ歯が、矯正治療で治せるという訳ではありません。
出っ歯の治療方法は、主に以下の3つとなります。
- ・全顎矯正
- ・部分矯正
- ・外科手術(セットバック)
出っ歯の症状によっては、全顎矯正や部分矯正では治療できない場合もあり、外科手術が必要になる場合もあります。そのため出っ歯は矯正治療で治すことができますが、全ての出っ歯が矯正治療だけで治る訳ではなく、外科手術が必要になることもある、ということはご理解ください。
では具体的に、全顎矯正と部分矯正、外科手術にはどのような違いがあるのでしょうか。
出っ歯の治療①:全顎矯正
通常、矯正治療で出っ歯を治す際には主に小臼歯を抜歯し、小臼歯を抜いた分で空いたスペースを利用して前歯の位置を下げるような治療を行います。
小臼歯は前歯と奥歯のちょうど間くらいにある歯で、前歯から数えて3本目の尖った犬歯(糸切歯)の一つ奥にある歯が小臼歯です。
人によって小臼歯の大きさは異なりますが、小臼歯を抜けば5mm〜7mmほどのスペースを作ることができます。両方の小臼歯を抜くことで、前歯全体を5mm〜7mmほど後退させることができ、出っぱった口元をスッキリと引っ込めることができます。
全顎矯正の方法は、大きく分けて3つあります。
表側矯正(ワイヤー矯正)
多くの方が歯列矯正、ワイヤー矯正という言葉を聞いて、想像するのは表側矯正です。
表側矯正では、「ブラケット」と呼ばれる装置とワイヤーを歯の表側に装着し、ワイヤーの力で歯を徐々に動かす矯正治療です。
表側矯正はポピュラーなワイヤー矯正の手法なので、多くの歯科医院で扱っているため、みなさまにとっても馴染み深いかと思います。
一般的には、表側矯正は歯の表側に金属のワイヤーを取り付けるため、非常に目立ちやすく、接客業や見た目を気にしなければならない方には不向きだとされています。現在では白色や透明なワイヤー・ブラケットが開発されており、表側矯正でもあまり目立たせずに矯正治療を行えます。
ただし金属の目立ちやすい装置と比べて、白色や透明の矯正装置を使用する方が費用が高くなる傾向があります。
裏側矯正(ワイヤー矯正)
表側矯正でも使用したブラケットとワイヤーを、歯の裏側に装着することで、周りから矯正していることがわからない矯正治療の方法です。
表側矯正の目立ちやすい見た目に抵抗がある方におすすめの治療法となります。ただし裏側矯正は、ブラケットを装着する歯の表面が、表側と比べて小さく凹凸があるため、歯科医に高い技術が求められます。通院時の調整も表側矯正と比べて難易度が上がるため、費用は表側矯正の1.5枚程度になる傾向にあります。
また歯の裏側に矯正器具をつけるため、舌に矯正器具が触れ、痛みを感じやすいというデメリットもあります。
マウスピース矯正(インビザラインなど)
マウスピース矯正は、表側矯正や裏側矯正とは全く異なる、透明なマウスピースを装着することで歯並びを綺麗にする矯正治療です。
マウスピース矯正で使用されるマウスピースは透明で、一見するだけでは装着していることがわからないので、審美性に優れた矯正治療法として人気が高まっています。
表側矯正も裏側矯正も、矯正を開始すると装置を外すことができなくなりますが、マウスピース矯正で使用するマウスピースは患者様自身が自由に取り外しできます。そのため食事の際や歯を磨く際などはマウスピースを外すことができるので、患者様の負担になりにくい矯正治療法です。
ただし1日の装着時間は決まっており、それ以下の時間しか装着しなければ、治療計画通りに歯が動かないなどの問題が起きます。
またマウスピース矯正は現時点では、基本的には部分矯正を前提とした矯正治療です。ただしさまざまなマウスピース矯正ブランドの中でも、「インビザライン」であれば全顎矯正にも対応できるので、全顎矯正でマウスピース矯正を行う場合は当院ではインビザラインを採用しています。
出っ歯の治療②:部分矯正
部分矯正は、歯の全体を動かす訳でなく、歯の一部だけを動かす治療法となります。全顎矯正で紹介した、「表側矯正」「裏側矯正」「マウスピース矯正」で、歯列の一部分だけを矯正します。
部分矯正の利点としては、治療期間が短いことと、費用が安くなる点が挙げられます。
ただし部分矯正では歯列の一部だけを動かすため、比較的軽度な出っ歯だけが対象になります。具体的には、以下の条件を満たす場合は、部分矯正で治療できる可能性があります。
- ・歯と歯が重なり合っている箇所がない
- ・噛み合わせに問題がない
- ・歯並びが悪い原因が骨格にない
矯正治療を検討するほどお悩みの方の出っ歯は、これらの条件の何か一つには当てはまってしまう場合が多いので、部分矯正で治療できたらラッキー、というくらいに思っておくのが良いでしょう。
出っ歯の治療③:外科手術(セットバック)
外科手術で出っ歯を治療するためには、主にセットバックと呼ばれる治療を行います。セットバックは出っ歯や受け口を治すために行われる外科手術で、顎の骨の一部を切って後ろに下げることで、口元の突出感を軽減することができます。
外科手術というと大掛かりなイメージですが、セットバックは最短2時間程度で手術が完了し、多くの場合で入院せずに当日帰宅できることから人気を集めています。
ただし全身麻酔が必要になるため、持病がある方や心臓の血管が細いなどの問題がある方は、セットバックが行えない場合があります。また骨格の形が変わるため、望んでいない変化が起きる可能性があります。(鼻の形や唇の形が変わるなど)
セットバックは確かに短期間で劇的に見た目の印象を変えられるため、人気が高い治療です。ただしセットバックをはじめとする出っ歯の治療のための外科手術では、骨を切ったり骨を削ったりするので、元の状態に戻すことはできませんし、神経などに傷をつけて顔の痺れなどの後遺症が残るリスクもあります。そのため当院では、歯列矯正で治せる出っ歯については、時間をかけても歯列矯正で治療することをお勧めしています。
当院、兵庫県明石市のいぬきデンタルクリニックは、出っ歯の矯正に伴う抜歯や、矯正治療前の虫歯治療など、全て院内で完結してワンストップで矯正治療を行える数少ない医院です。
出っ歯の治療シミュレーションができる無料カウンセリングも実施しているので、出っ歯治療を検討中の方はぜひお気軽にお問い合わせください。
出っ歯の原因によって治療法は変わる
ここまで、出っ歯の治療法について解説してきました。出っ歯は歯列矯正で治療できますが、場合によってはセットバックなどの外科手術が必要になります。
では具体的に、どのような症状の場合は、どの治療が適しているのでしょうか?ここでは出っ歯の原因ごとに、適した治療を解説します。
- ①歯が前に出ていることが原因の出っ歯
- ②骨格が前に出ていることが原因の出っ歯
- ③歯と骨格の両方が前に出ていることが原因の出っ歯
それぞれで適した治療方法が異なるので、以下で解説します。
①歯が前に出ている出っ歯に適した治療
歯が前に出ているだけの出っ歯であれば、ほとんどの場合は「部分矯正」もしくは「全顎矯正」で治療することができます。
- ・歯と歯が重なり合っている箇所がない
- ・噛み合わせに問題がない
上記の条件を満たす場合は、部分矯正で治療できる可能性が高いです。また現在の矯正治療技術は非常に高くなっており、多少の乱れた歯並びであれば、全顎矯正で十分に対応することができます。
②骨格が前に出ている出っ歯に適した治療
出っ歯の原因が骨格にある場合は、矯正治療だけで改善するのは難しい可能性があります。上顎そのものが下顎より前に出てしまっている場合、矯正治療で歯を後ろに下げるだけでは、出っ歯が改善されないことが多いです。
矯正治療では小臼歯の抜歯を行って前歯を後退させますが、小臼歯の大きさは5mm〜7mm程度なので、前歯を後退させられる長さは同様に5mm〜7mm程度となります。
骨格自体の問題があり、上顎がした後よりも1cm程度前に出ている場合は、矯正治療での改善は難しいでしょう。
そのため、骨格が前に出ていることが原因で出っ歯になっている場合は、「外科手術」で出っ歯を治療することが適しています。
③歯と骨格の両方が前に出ている出っ歯に適した治療
歯と骨格の両方が前に出ている場合は、両方に個別に対処する必要があります。
具体的には、歯に対しては「全顎矯正」もしくは「部分矯正」を行って、前に出っぱった歯を後ろに引っ込めます。また骨格の問題は「外科手術」で対応します。
順序としては、まずは外科手術を行うことがほとんどです。外科手術でまず大きく口元を動かして、外科手術後の口元の様子を見ながら矯正治療で理想的な状態を目指します。
まとめ:出っ歯は矯正治療と外科手術を使い分けて治療する
当記事では、出っ歯は歯列矯正で治療できるのか、という疑問について回答させていただきました。
結論としては、出っ歯は歯列矯正で治療が可能です。しかし骨格に問題がある場合は、矯正治療だけでは出っ歯が改善しない場合があります。
出っ歯の改善には、矯正治療と外科手術を使い分けて対応する必要があります。歯列に問題がある場合は矯正治療、骨格に問題がある場合は外科手術、歯列と骨格両方に問題がある場合は、外科手術と矯正治療を組み合わせて対処します。
ただし当院では、外科手術にはリスクもあることを考慮して、矯正治療で直せる範囲であれば極力矯正治療のみで対応することを推奨しています。
当院、兵庫県明石市のいぬきデンタルクリニックは、出っ歯の矯正に伴う抜歯や、矯正治療前の虫歯治療など、全て院内で完結してワンストップで矯正治療を行える数少ない医院です。
出っ歯の治療シミュレーションができる無料カウンセリングも実施しているので、出っ歯治療を検討中の方はぜひお気軽にお問い合わせください。
監修者情報
歯科医師(院長) 井貫 幸一
- 2013年 東北大学歯学部卒業 歯科医師免許取得
- 2022年 いぬきデンタルクリニック 開業
患者さまの生涯にわたりお口の健康を維持し、笑顔あふれる生活をサポートできればと考えております。
お口のことでお悩みの方もそうでない方も是非一度お気軽にご相談ください。
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